ドクメンタ・5年に一度の国際展覧会。
今回はパリを少し離れて、ドイツの真ん中、ヘッセン州の古都カッセル Kasselから。 「ヨーロッパのアライグマの首都」と呼ばれるほどになぜかアライグマが多い水と森の豊かな丘陵の街で、5年に一度だけ開催される現代アートの国際展覧会がある。人口20万人足らずの小ぶりな街だが、この祭典の会期中100日間はヨーロッパはもちろん世界から多くの観客が訪れる。 その展覧会の名は「dOCUMENTA (ドクメンタ)」。 ベネチア、サンパウロ、シドニーの各ビエンナーレ(※1)など世界有数の国際展覧会とならんで、このドクメンタは世界のアートシーンに大きな影響を与えている。 なにしろ「街ごと展覧会」という試みが、観客には楽しい。 老若男女を問わず、アートファン、あるいはカッセルの街が好きという人々が集まって、緑色の同じガイドブックを持ちながら、街をまわり、公園の中をまわる。まるでスケールの大きいオリエンテーリングのよう。 駅やメイン会場の前には、ショップ・案内所があり、ガイドブックやカタログ、かっこよくデザインされた鉛筆やノート、Tシャツが販売され、道順、チケットの買